世界中でウィルスと共生する方向で進みそうな2022年ではありますが、それでももめごとは耐えませんね。
わたしがのほほんと暮らしている場所では全く想像のできないことが同じ地球上で起こっていると思うと、自分の無力さにやるせなさを感じてしまったり、ゾッとしてしまうことが多々あります。
そんな時に、わたしがふと思い出したいヨガの教え「創造・維持・破壊」の考え方について今回はお話していきたいと思います。
ヨガと神さま

ヨガは宗教ではありませんが、全ての宗教を合体させたような考え方があります。そして、インド生まれということもありインドの宗教(ヒンドゥー教)とは密接に関係している部分があり、経典を呼んでいるとインドの神さまも頻繁に出てきます。
中でも、ブラフマー(創造神)、ビシュヌ(維持神)、シヴァ(破壊神)という3大神様は、世界を形づっている三大神とされヨガの世界でも重要な神様。そして、この神さまたちが
神様の名前などはわざわざ覚えなくても良いと思います(笑)ここで、わたしが伝えたいのは、この神さまたちがどんな役目を持った神さまかということ。
インドの3大神さま

ブラフマー(創造神)
ブラフマー(創造神)は、”はじまり”の神さま。
インド思想では、「万物の創造の根源はブラフマンだ」と説かれていています。つまりは、宇宙上の全ての創造主で、フレンドリーな言い方をすればわたしたちの”お母さん”と言ったところでしょうか。
ビシュヌ(維持神)
ビシュヌ(維持神)は、”維持”を表す神さまです。
世界を秩序をもって維持するためには正しい知識が必要ですが、このビシュヌは維持を意味するための神さまです。
シヴァ(破壊神)
シヴァ(破壊神)は、破壊の神さま。”終わり”を意味します。(ちなみに、シヴァ神は日本でも人気のインドの神さまガネーシャのお父さん)
「破壊」と聞くと、ネガティブなイメージや恐怖を感じる人もいるかもしれません。けれど、破壊しない限り創造は生まれないというのが、インド思想にはあります。
またシヴァ神は、ヨガを実践する人にとっては最も身近な神様です。わたしたち現代人がヨガマットの上で練習するヨガは、ハタヨガと呼ばれる古典ヨガに基づいたもの。このハタヨガの教えを1番最初に説いたのがシヴァ神だと言われています。
創造・維持・破壊のサイクルの中をわたしたちは生きている

安っぽいセリフになってしまうのですが「永遠なんてないんだ」とこの2年間よく口にしていました。はじまりがあれば、終わりもある。それが世の中の仕組みなんです。
この3体の神さまたちが、わたしたちに教えてくれていることは、”創造・維持・破壊の3つのサイクルで個人、社会、世界全体は周っている”ということだとわたしは思っています。
例えば、人間は生まれ(創造)、生きて(維持)、死んでいきます(破壊)。ヨガでは、輪廻転生を信じているので、破壊されたら、次の命が創造されるとも考えられています。つまり、破壊は創造を意味しているということですね。
コロナウィルスをはじめとして、世界で起こっているもめごとや問題も、このサイクルの一部だと受け止めることができたなら、納得できるし、次にとるべきアクションが見えてくるようになるかもしれません。
人によっては、これが”はじまり”を意味しているかもしれませんし、”終わり”が見えてはじまりの準備をしはじめなければならない人もいるかもしれません。
わたしにとっての2年間は維持の年でした。今は破壊を促し、創造へ向かっている途中です。
破壊することは、それまで温めてみたもの・大切にしていたものを手放す勇気が必要ですが、創造の力を借りて今よりももっと幸せな生き方を得るためには新しい自分を受け入れていきたいと思っています。
参考図書: 『新版インテグラル・ヨーガ パタンジャリのヨーガ・スートラ』

新版インテグラル・ヨーガ パタンジャリのヨーガ・スートラ