先日、娘の幼稚園の遠足付き添いでガーデンバイザベイを訪れました。園内に落ちていた松ぼっくりを見た娘が、「見て!イタリーで見たマツボクリだよ。にゃんにゃんと一緒に遊んだよ。」とイタリア旅行の思い出を語り始めました。
娘のその一言は「かわいい子には旅をさせよ。」と言う諺を思い出しました。旅を通して学びや気付きを深められるのは大人だけではなく、子どもにとっても同じなんです。
子連れ 海外旅行がおすすめな理由・『旅育』という育児法
『旅育』とは

ここ最近で子育て系のメディアでよく出てくる言葉『旅育』。その名前からも分かる通り「旅を通して育つこと」を意味します。
書店では『旅育』関連の書籍が多く並んでいます。
旅行好きの人が増えてきたこと、またLCCの普及でより海外が身近になってきたことで家族でも気軽に海外旅行できる機会が増えてきたことが『旅育』が流行ってきた理由の一つとして挙げられるのではないでしょうか。
旅は子供、そして大人の成長を促すとする考え方。非日常的な体験、観光を通して異文化に触れること、また家族や友達など大切な人々との時間の共有、そして旅によって得られる新しい知識によって、興味・価値観の広がります。
私自身も海外在住で「旅行ライター」という肩書きを持つ身として、旅に出る機会は非常に多く、娘が生まれてからも年間に5-6回は飛行機に乗る機会があります。
「子供がまだ小さい内は海外旅行しても覚えていないんじゃないか。」
私もそう思っていました。
もちろん娘が0歳の頃に日本で見た満開の桜の記憶はないようで、「いつか本物のSakura Treeが見たいな〜」なんてことも言っていますが(笑)
大人でも旅先での体験や経験を忘れてしまうことはありますから、年齢は関係ないと私は思っています。
写真やジャーナルを見返せば、こんな体験もしたんだということはいくらでも思い返せますね。
『旅育』のメリット

異文化・新しい価値観に触れる
日本国内では中々出会うことのできない異文化や新しい価値観に触れることで視野が広がることはこれからのダイバーシティーの世の中では必須のスキルなのかもしれません。
国が違えば文化や物事に対しての価値観が異なるのは当たり前。中には100%理解することが難しいこともあるかもしれませんが、それでも「違いを認める」というスキルは大人になって役立つスキルの一つです。
家族や友達と過ごす時間の中から生まれる協調性
家族、友達と密にコミュニケーションをとって協調して過ごさなければいけない旅行はその数が多ければ多いほどその後の人生で活かせる協調性、そしてコミュニケーション能力に繋がると思います。
自分の目で見て確かめることの大切さを学べる
情報社会の現代だからこそ、世界に飛び出すことは大切だと思います。インターネットやSNSで情報検索 →「旅行に行った気分♪」よりも、やはり自分の目で見て・体験することはお金を出す以上の価値があります。
インターネットや本に乗っている情報が全てではない。そんなことに気づくかもしれません。
『旅育』のデメリット

環境負担が多い
交通手段や産業開発活動が与える影響を考えれば、旅行がもたらす環境への影響はかなりのもの。
「サステイナブルな暮らしの中の子育てなのに!」
私もそんな葛藤がないと言えば嘘になります。これに関して言えば、まだ解決策は見つかっていないというのが正直な所。それでも、旅先でも環境に配慮したサステイナブルな行動をとることでサステイナブルな旅は必ずできると信じています。
お金がかかる
お金がかかることは避けられないのが『旅育』。
LCCの普及によって安価な旅も実現できるようになりました。それでも最近は『台湾に日帰り1万円』なんてプランを出しているLCCもあるそうです。また旅先スポットによっては、日本国内を旅行するよりも海外の方が安いなんて国も。
『旅育』に何を求めるのかでお金のかけかたも変わってくるのではないでしょうか。
例えば
- 年に1回の海外旅行であれば、少し奮発して大きな旅行にする/長距離旅行をする。
- 頻繁に旅行をするのであれば、LCCを利用して安全だけど安めのホテルを探す
時間をとるのが難しい
「旅行に行きたいけれど時間がない!休みがない!」そんなパパやママも少なくないはず。得に、日本の会社は有給休暇は冠婚葬祭でないととれないなんて暗黙のルールみたいのもありますよね。(私が日本で働いていた8年前なので、働き方改革でだいぶよくなったのかもしれませんが。)
それでも1泊〜2泊でも充分に楽しめる海外旅行スポットは意外とたくさんあるんです。(韓国以外にも)
例えば、私の住むシンガポールは出張者も多いので深夜便が多く飛んでいます。金曜日の夜に羽田から出て7時間→土日遊んで、日曜日の深夜戻れば、3連休でも充分。後述しますが、東京23区ほどの小さい島シンガポールは2-3日あれば充分楽しめます。
小さい内は忘れやすい
先述した通り、娘が0歳の頃にした旅の記憶はありません。忘れてしまうかもしれないのに、お金をかけて時間を使って海外に行く価値はあるの?そんな風に考える方もいるかもしれません。
先日、私のスマホに保存してあったペナン島の滞在先で人生で生まれて始めて自分がプールに入った動画を見てケラケラ笑っていた娘に、
「覚えている?」と聞いたら、
「Baby Emmaちゃんかわいいね。泣いてるね。」と答えました。
便利な現代は、写真以外にも動画でも思い出を残しておくことができます。
「こんなこともしたんだな。」と大人になって見返して、「また行きたい」と思うかもしれません。価値があるかないかは、人それぞれの考え方かもしれませんが、私個人的には価値のないことはないと思っているので(スーパーヨギーマインド)、もし価値のないと思うのであれば、価値があるよう仕組むのも一つの手です。
私が実践する『旅育』方法

プランは子供と一緒に立てる
旅の計画を立てる時も積極的に娘に何をしたいか聞くようにしています。まだ小さいので、言ってることが二転三転しますが(笑)旅行前から、旅先に興味や関心を持てる機会になればと思っています。
どんな旅にしたいか一緒に考える
以前、『人生に活かせる旅をするための方法』で、旅行前にはジャーナリングをして、この旅を終えた時にどんな自分になっていたいか、旅の豊富や自分の変化に対する期待を書くということを話しましたが、子供とも何となくどんな旅にしたいか一緒に考えるようにしています。
- ピサの斜塔で写真を撮る
- イタリアでたくさんピザを食べる
- ガーデンバイザベイでたくさんのお花を見る
- ビンタン島のプールで泳ぐ練習をする
「こんなことができるようになるかもしれない。」「こんな体験ができるのかもしれない。」旅行前から旅に対しての期待は膨らみます。
そして、大きなことでも小さなことでも、私はなるべくその目標や期待が叶うように協力するようにしています。旅を通しての成功体験は、子供にとって大きな自信に繋がると信じているから。
『本物』に触れる
ガイドブックなどで事前に旅先のことを一緒に見ておき、旅先では本物を見るようにします。自然・芸術・歴史など『本物』に触れることで創造力や感受性を刺激されればという思いから。
先日訪れたフィレンツェで見た本物のダビデ像を見て何を思ったか(もしくは何も思わなかったか)正直分かりません。宗教画なんてもの見たことなかったので、少し怖がってもいましたが、小さい頃からそんな世界を見ることができる娘を私は少し羨ましくも感じました。もう少し大きい子供であれば、そんな歴史的なアートに触れるのもきっと貴重な体験になるのかもしれませんね。
まだ子供が小さい内は、海や山や川など自然と戯れる体験をたくさんしていきたいと思っています。
親が楽しんでいる姿を見せる
『旅育』と言うと教育感が全面に出されているようですが、私はそこまで教育熱心ではありません。教育の専門家でもないので、私の考え方が全て正しいわけでもなく賛否両論あるのもよく分かっています。それでも、私が考える「子供にとっての一番良いこと」が今はこれということ。私は大学生の頃から旅を始め、たくさんの新しい学びや気付きがありました。旅が全てというわけではありませんが、旅を通して学んできたことが多くあるので、娘にとっても旅をすることで世界が広がればよいなと思っています。
なので、絶対に「目標を達成しようね!」なんて頑張らずに、一緒に楽しみながら旅をすることは私の考える『旅育』の第一条件です。
思い出を残す
「楽しかったね」で終わらせないことも重要です。写真や動画に保存するのは誰でもすることですが、それを実際に見返せるようにアルバムやDVDにおとすことも大切。
まだ3歳の娘には難しいので、今は私が旅の写真を貼り付けて日記(ジャーナル)を残していますが、もう少し大きくなったら絵日記をつけたり、旅先から自宅へハガキを送ったりしたいなと思っています。
先日訪れたビンタン島からは、ビーチで拾った貝殻を部屋に飾っています。海外のビーチリゾートなどではきれいな貝殻の他にも珊瑚などのちょっとしたお土産も手に入るからいいですよね。
子連れ 海外旅行 おすすめの国
アジアでおすすめなのNo.1はシンガポール

アジアだけではなく、世界中どこの国と比べても、シンガポールは子連れ旅行に最適だと思います。しかも、0歳児の子連れでもOK。その理由は、子連れフレンドリーな国だから。欧米はどこでも子連れフレンドリーですが、シンガポールの場合は街の作り方が子連れフレンドリーなんです。
例えば、道は平坦でベビーカーが押しやすい。駅には必ずエレベーターがある。バスや電車などの公共交通機関では子連れは必ず席を譲ってくれる。街全体が子供とその親に対して温厚。
海外ってそれだけで疲れますが、みんなが優しいのでそんな子連れフレンドリーさは子連れ旅行者にとっては何よりも支えになります。

ホテルもどこもかしこも子連れフレンドリーですが、最近一番おすすめなのがリニューアルオープンした『シャングリ・ラ・ホテル』。セントーサ島にもシャングリ・ラはあり、小学生以上であればウォータースライダーなどが充実したホテルですが市内から離れているので、観光には不便。中心地にある『シャングリ・ラ』は、どこにでもアクセスもよく、また大きなプレグラもあります。
都心とは思えないほどの静かな環境と時間が流れています。中には野生のリスもいますよ。

動物園や植物園、USSなど子供が楽しいスポットもたくさんあるのもおすすめポイン。た世界遺産にも登録されたボタニックガーデンは子供連れシンガポール旅行にはマストビジット。日本では見られないたくさんの植物がたくさん見ることができます。東京ドーム何個分もの広さがあるので、とにかくたくさん運動もできます。ただし昼間は暑いので、朝早くもしくは夕方がおすすめ。
日本でも人気のチームラボの『Future World』は、マリーナベイサンズにあるアートサイエンスミュージアムで開催されています。日本ほど混んでいないので待つ必要もなし!

B級グルメがたくさんあるシンガポール。「東南アジアの屋台って大丈夫なのかしら…?」と思う方もいるかもしれません。結論から言うと大丈夫です。シンガポールの飲食店は衛生管理が厳しく国に管理されていて、屋台を含めたレストラン個々に、衛生管理のランクがつけられています。とは言え、やっぱり子連れだから…と言う方には、リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)内にある『Malaysian Food Street』がおすすめ。街なかにあるホーカーよりも断然きれいです。観光地なのでお値段は高めですが、安心して異国B級グルメを食べれる環境が整っている場所を優先するのであればおすすめ!
- おすすめのホテル:『シャングリ・ラ・ホテル』
- おすすめアクテビティー:ボタニックガーデンでピクニック・シンガポールズー(ナイトサファリ)・チームラボ『Future World』
- 子連れでも安心なホーカー:『Malaysian Food Street』
価格で選ぶならタイ・バンコクも楽しめる
価格帯で選ぶのでれば、タイもおすすめです。

最近は、オーガニックや健康ブームの傾向が強いタイなので、子連れでも安心なオーガニックカフェやお土産を選ぶのにおすすめなオーガニックスーパーもバンコク市内にはたくさんあるんですよ。タイ国内でとれたオーガニック食材を使用したビーガンやベジタリアンカフェも増えているそうです。

私が娘とふたり旅に初めてでかけたのがバンコク。バンコク在住の友人のすすめで滞在したのが『エンポリアムスイート』。リーズナブルな値段で、駅直結という利便性の良さが魅力です。観光地が集まっているチャオプラヤー川には電車を乗り継いで30分強かかりますが、タイの渋滞は本当にひどい。本当にひどい時には空港から川沿いホテル(マンダリンオリエンタルなど)に行くのに2時間強かかることもあるのだとか。

美味しいタイ料理でおすすめなのがマンダリンオリエンタルバンコクの『サラ・リム・ナーム』です。チャオプラヤー川の景色を眺めながら贅沢で美味しいタイビュッフェ。
最寄り駅のサイアム駅からマンダリンオリエンタル行のボートで行くことができます。お世辞にもきれいと言えないチャオプラヤー川ですが、娘は高速ボートに乗ったのは面白い体験だったようです。
- おすすめのホテル:『エンポリアムスイート』
- ヴィーガン・ベジタリアンカフェ:『VEGANERIE Concept 』
- オーガニックスーパー:『Lemon Farm』
- 子連れでおすすめのタイ料理:『サラ・リム・ナーム』(ビュッフェランチがおすすめ)
- 子連れフレンドリーカフェ:『Little Pea』
せっかくタイに来たのだからお寺巡りや、少し遠出をしてアユタヤ遺跡などにも行ってみたいという方は、ツアーに参加するのがおすすめ。子連れ旅行の極意は無理をしないこと。
子連れでヨーロッパは小学生以上がおすすめ
先日イタリアを訪れて思ったのが、ヨーロッパは小学生以上がいいなと思いました(笑)時差と長距離での移動は大人でもかなり負担がかかります。子供であれば尚更。
イタリアとシンガポールの時差は、6時間。滞在中はずっとイタリアの夕方6時(シンガポールの深夜0時)に寝て、イタリアの夜中3時(シンガポールの午前9時)に目が覚めるというサイクルが続きました…

また、楽しみにしていたピサの斜塔は、小学生以上でないと入館できずに断念。博物館や美術館などの観光は、まだ理解するまでに至らず…(3歳だから当たり前ですが)

それでも、娘にとっては自然と触れ合うワイナリーでの時間は貴重な体験だったようです。シティーライフのシンガポールの環境とは360度違う時間や空気が流れていたからでしょうか。
小さい子連れでヨーロッパ旅行であれば、自然と戯れる体験がいいかもしれません。
- ヨーロッパ旅行が楽しめるのは小学生以上
- 小学生以下なら自然を楽しめるスポットやエリアがおすすめ(都市部よりも田舎寄りがおすすめです。)
年末年始におすすめなのはハワイ

私が初めて家族で海外旅行をしたのが、5歳の冬。ハワイに行きました。全部の思い出を覚えているわけではないのですが、デパートで日本人の店員さんに話しかけられたことや、楽しみにしていたディズニーストアが休業していたことなどを覚えています。
ハワイ旅行のアルバムは実家に保管されていて、大人になった今でも実家に戻ると未だに見返すことがあります。写真の中の全てを思い出すことはできませんが、写真の中の自分や家族が楽しそうにしているのを見ていると何だかタイムスリップしたような気分にもなるから不思議です。
ハワイは時差があるので、年末年始など長期でお休みがとれる時期がおすすめ。在住日本人が多いので、日本語も通じる場所が多いのも魅力。
子供がいるから楽しめる旅がある

まだ子供が小さい内は、日本国内・近場を旅するのも子供にとっては貴重な体験だと思います。いつもの公園ではなく日帰りでも行けるようなハイキングやいつもとは違った自然体験も子供にも大人にも価値のある体験。
そもそも教育の場面で、遠足や修学旅行などがあるのは、もうずっと前から『旅育』が価値ある体験であることが認知されていることですよね。
子供の成長にとっても大きな体験になりえる旅育という考え方は、サステイナブルな子育ての一つだと言えるのではないでしょうか。