自分へ思いやりを持つってどういうこと?思いやりの心を持つことが必要な理由とその方法

マントラという言葉を聞いたことはありますか?

マントラ(mantra)は、日本語で真言を意味します。呪文的な語句であり、聖歌を示すこともあります。このマントラは、力のこもった言葉であり、波動を響かせて同調共振させます。自分の耳で聞くことで、体の細胞1つ1つに染み渡らせ、運を開かせるような効果をもたすと言われています。

マントラにはいくつもの種類がありますが、1年ほど前から自分のマントラを持ちたいと思い色々考えていましたが、なかなか見つけることができませんでした。

わたしが尊敬するヨギーの先輩によると、自分自身のマントラは”心から湧き上がる言霊”とのこと。頭で考えるのではなく、心の底から湧き上がるマントラを見つけることが大切と言われました。つまり、感じる力が大切と言うわけですね。

「いつか見つかったら良いな」くらいに思いとどめていたところ、ある日突然、自分の中に湧き上がってきた思いが「優しさと思いやり」。それは周りに対しても、自分自身に対しても…

このマントラを毎日感じるようになってから、色々な変化が訪れたように思えます。

実際、自分自身を思いやること『セルフコンパッション』は、より幸せに、より健康的に、より回復力を高めることが証明されています。

自分自身への思いやり『セルフコンパッション』

セルフ・コンパッションは『自己慈愛』

セルフ・コンパッション(self-compassion)』は、直訳すると”自分への慈しみ”、または”自分への思いやり”となります。つまり、『自己慈愛』と言ったところですね。

わたしがマントラを通して、セルフ・コンパッションを実践する中で感じていることは、自分に対する感受性を持つことができるということ。そして自己への思いやりは、優しさや育てることにもつながっています。

例えば、仕事の締め切りに間に合わないからと言って(そういった経験を1度や2度したことがあるのでは?)「人間だから仕方がない」と自分に余裕を持たせてみて下さい。すると、仕事の成果、社会からの評価など、外側からの視線や、時として気まぐれな自尊心に縛られない、本質的な価値観が生まれます

自己慈愛は、自分の人生がうまくいっていたとしても、うまくいかなったととしても、無条件に自分を愛すること。

完璧さやパフォーマンスではなく、受容と優しさが目標であるという考えを強化します。

2019年にJournal of Health Psychology誌に掲載されたレビューによると、自己慈愛を実践している人は、禁煙、過食の抑制、十分な睡眠、必要なときに社会的支援を求める、身体活動を行うなどの傾向があることが分かりました。

もちろん、ストレス対策、気分やセルフイメージの向上、痛みの緩和、回復力の増強などにも効果があります。

つまり、セルフ・コンパッションはより幸せを感じより健康になるための最も簡単で効果的な方法の一つだとまとめられるのではないでしょうか。

セルフ・コンパッションを実践して起こった変化

自分を大切にしようという気持ちになる

ここまで読み進めた方の中には、もしかしたら「それは妥協では?」と思う方もいるかしません。確かに、見方によってはそう映るのかもしれません。

けれど、わたしが感じているのは少し違います。それは、自己慈愛は自分にとって本当に良いことを突き詰めるのに役立つということ。

妥協は、自分の持っている望みを断念するということ。一方で、セルフ・コンパッションは愛情と思いやりのある決断。つまりは、自分を大切に思うがゆえに、短期的な喜びと長期的な利益のバランスをとって断ることではないでしょうか。

安心感を感じられる

夫が会社をたたみ不安な気持ちでいっぱいだった2020年。現在も、借金返済生活の中で決して安心できる状況ではありません。

もちろん時々「この先が不安」と見えない恐怖におののくこともしばしば。焦ったりすることもありますが、そんな時はとりあえず自転車に乗ったり、瞑想をしたり、ただぼーっと外の風景を眺めたり、思いつくことを何でも書き出します。つまりは、自分の好きなことをするわけですね。

この時に大切だと思うのが、「それをすることで何かを求めない」ということ。つまり、自分の好きなことをすることで、不安が解消されると願ったりせずに、ただただ好きなことに集中します。

すると不思議なことに、不安なはずなのに安心感を感じられるんです。

パンデミック中、ジャーナリングの練習(例えば、友人の視点から自分の弱点と思われる部分について手紙を書く)や瞑想(肯定文やなだめるようなタッチの練習)など、自己を思いやる練習をした人は、圧倒されることが少なく、感情的な食事やアルコールなどの有害な対処法に頼ることも少なかったと、Journal of Positive Psychology誌に掲載された2021年の論文で発表されました。

自己慈愛は、不確実性に直面していても感情的な安心感を生み出し、その結果、ストレスを低減させてくれます。実際、この効果は科学的なもので、自己慈愛は副交感神経系を活性化し、私たちを慰めてくれる「愛のホルモン」であるオキシトシンの放出を誘発してくれると言われています。

痛みを和らげる

心と体は繋がっていると感じたことはありませんか?

わたしは以前、会社員時代に仕事がとても忙しかったり、人間関係で何かしらのトラブルを抱えていた時、いわゆる科学的には証明できない原因不明の腰の痛みに悩んでいたことがありました。病名のつかない痛みに対して、病院ではたらい回しにされて、最終的に行き着いたのがヨガを毎日練習すること。時間はかかりましたが、自然と痛みは収まりました。体を動かすことはもちろん効果があったのかもしれませんが、その過程で学んだ自己慈愛の力は大きかったように思えます。

2020年の研究によると、慢性的な腰痛を持つ人が、2週間にわたって自己慈愛のトレーニングを行ったところ、痛みに対する脳の反応に変化が見られました。

これは、痛みを重要視する脳の領域の活動が低下し、脅威反応を制御する領域の活動が活発になったことが示唆されています。腰痛は、身体的な痛みに加えて、通常の機能を果たせないことへの羞恥心などネガティブな感情を引き起こす可能性があると体の部位でもあります。

自分のせいではない、自分の状態が自分を規定しているわけではないと認める、自己慈愛は、身体をリラックスさせ、肉体的・心理的な苦痛に対する反応を和らげてくれるように思います。

セルフ・コンパッション実践方法

生きていれば、誰でもストレスを感じることをあります。ストレスを回避することは難しく、むしろそれに立ち向かわなければ、人生は進みません。けれど、立ち向かわず、逃げていればどうなるか・・・きっと、ずっと逃げなくてはいけないのではないでしょうか。見て見ぬ振りをしてしまっても、それはあなたの毒となって体や心を害します。

(わたしのように腰痛に悩まされたくなければ)ぜひセルフ・コンパッションを実践することを考えてみて下さい。

  1. 目を閉じて、ストレスの原因となっている状況(仕事上の問題、人間関係など)、ストレスを感じている状況を思い浮かべます。集中して「これは苦しみの瞬間。けれどずっとは続かない」と自分に言い聞かせて下さい。違和感を認めることが第一歩。
  2. 「私は一人じゃない」と自分に言い聞かせて下さい。(おすすめは、同じような境遇の人と少なくとも1人はつながること。)
  3. 最後に、両手を胸に当てて「自分に優しくなれますように。自分に必要なものを与えられますように。

もし難しいと感じた場合は、その気持ちを見つけるために、自分の大切な人が同じ問題を抱えていることをイメージするとより簡単になります。その人と心を通わせて、何を言いたいですか?そのメッセージを自分に捧げてください。

自分自身に愛を与えよう

Photo by Михаил Павленко on Unsplash

人間の最も基本的な欲求の一つはだと、わたしは思っています。

私たちは愛を他人に求めることが多いですが、私たちは自分自身に愛を与え自分が他の人と同じくらい大切な存在であることを理解することが大切なのではないでしょうか。(もちろん甘やかすと言う意味ではなく…)

そして結果的に、これはヨガ哲学の考え方の中の『アヒンサー(非暴力)』にもつながるんです。他人にも自分にも、優しさを…愛を与えようと言う。

自分自身に問いかけてみてください。「今、私に必要なものは何だろう?」と。

何も思い浮かばない場合は、それを分解してみましょう。

「体調を整えるために必要なものは何?」(温かいお風呂、お茶?)。「感情的に楽になるためには何が必要?」(泣くこと、猫と抱き合うこと?)「自分の痛みを確認するために必要なことは何?」(日記を書く、友人に電話する?)「自分を守るためには何が必要?」(ノーと言う勇気を持つ、境界線を設ける?)

自分を奮い立たせるためには、何を聞く必要がありますか?

一人でも多くの人が、笑顔溢れる1日1日を過ごせる強さを持てていることを願っています。

”笑う門には福来たる”

ABOUTこの記事をかいた人

シンガポール在住8年のライター/Webクリエイター/ヨガインストラクター(全米ヨガアライアンスRYT200保持)。4歳の娘 Emmaと夫と3人暮らし。Webを中心に、ファッション、ビューティー、ライフスタイル、旅行など幅広いジャンルに関する情報を発信。現在はWEBクリエイターとしてWEBサイトを運営、取材、執筆活動を行う傍ら、RYT200を活かしシンガポールを中心にヨガインストラクターとしても活動中。