大人女子が手塚治虫を楽しむ『21世紀の君たちへ ガラスの地球を救え』#ブッククラブ

天才マンガ家・手塚治虫先生のエッセイ『21世紀の君たちへ ガラスの地球を救え』

地球環境問題を取り上げたもので、執筆途中の1989年2月9日に残念ながら手塚先生が死去したために未完に終わったけれど、手塚の講演会などでのコメントも追記された書籍が同年の4月に出版されました。

今から32年も前の書籍には決して古いことは一つも書かれていなくて、今だからこそ(本当はもっと早く読んでいればよかったと思うのですが)読みたい1冊です。

『21世紀の君たちへ ガラスの地球を救え』って?

本の概要

言わずと知れた日本マンガ家の神様である手塚治虫先生のエッセイ。絵は一切ありません。

幼少時代のいじめられっ子時代から、戦争体験、海外での仕事、そして未来の子供たちへの想い、そして地球への想いを綴った作品です。

手塚治虫先生ってこんな人

日本のマンガ家、アニメ監督、そして、なんと医師!本作の中でも、「マンガ家になろうか、医者になろうか迷ったところ母に、好きなことをしなさい」と言われたというエピソードが綴られています。

戦後の日本においてストーリーマンガの第一人者として、マンガ表現の開拓者的な存在として活躍しました。『鉄腕アトム』『火の鳥』『ブラック・ジャック』などは読んだことがなくても名前は知っているという人もいるのではないでしょうか。ちなに、私はブラックジャックを大学の図書館で4時間読み続けたことがあります。

私は、マンガやアニメを通しての手塚治虫という名前は知っていましたが、そもそもご本人がどんな人というのは全く知りませんでした。だから、この『ガラスの地球を救え』を読んだ時、「やっぱり天才ってすごいんだ」と素直に思いました。

時代を超えて愛されるまた価値のあるモノを作れる人というのは、毎日をとても真摯に前向きに、一生懸命生きてきた人なんだろうなと思います

大人女子的読書『21世紀の君たちへ ガラスの地球を救え』はココがおもしろい

環境問題についてシンプルでストレートな言葉で説得力に溢れている

本作を全体を通して訴えられている地球環境の破壊については特にストレートに想いが表現されています。

科学技術の進歩により私たちの生活が快適になる一方、地球はどんどん壊れていく。そしてその影響は未来を生きる子どもたちに及び、彼らの未来はやがて奪われてしまう。それを防ぐためにも人間中心で物事を考えず、地球上のあらゆる生命を大切にするために今、何ができるか考えさせられるのは、文章の書き方がとにかくシンプルかつストレート。そして理論的なので、とても説得力に溢れているからだと思います。

地球環境問題は決して一人で解決できるものではない大きな問題ですが、この作品を通して一人一人がアクションを起こすことの重要性が伝わると思います。

子育ての参考になる

自然豊かな街で育った手塚先生は、自然が大好き。そして子どもが大好きです。なので、本作の中では随所随所に子育ての参考になることがたくさんあります。

例えば、幼少期のいじめられっ子だった手塚先生にお母さんはどのように接していたかなどはとても参考になります。他にも、手塚先生がマンガ家になりたいと思った動機づけや、マンガ家か医者かの進路の決定する時の大人の接し方なども個人的には是非参考にしたい。

続けることは説得力に繋がる

17歳でマンガ家としてデビューした手塚先生は没後32年たった今でも日本マンガ界の神様として称されています。私が手塚先生に興味を持ったのは、雑誌PENの特集があったから。

影響力があることが全てではありませんが、それだけ彼の示してきた功績が素晴らしいのものなのはやはり一つのことをコツコツ続けてきたから

花の開き方はもちろん人それぞれだとは思いますが、”継続は力なり”は本当だと手塚先生は示してくれています。

確かにコロコロ職種が変わっていたりしたら「信用していいのかしら?」と思いますよね。

人生100年時代とも言われていてこれだけ選択肢のある現代の中で、続けることも才能ではありますが、ブレずに一つのことを諦めずにやり続けることの大切さは、私も見習いたいしですし、私の子どもにも伝えていきたいなと思います。

手塚作品に込めた意図や想いに触れられる

手塚作品の中にはテーマが大きく間違えて解釈されているというエピソードはこの本を読んで驚いたことの一つ。

例えば『鉄腕アトム』。未来の技術革新によって反映し、幸福を生むというテーマとよく思われる作品は、科学と人間のコミュニケーションの食い違いなんだそう。

その他にも、私が図書館で4時間読み続けた『ブラックジャック』では、”人間の幸福と医療”について問いただしているエピソードなどがあるというのはとても興味深かったです。(個人的に体を健康にしても、心が健康でないと幸せではないというのは、体験済みのため。)

温故知新を実践したいと思える

手塚先生は今の時代の人たちとは異なった考え方を持ち、異なった生き方をしてきた人です。それは、やはり私たちと経験していることが違いすぎるから当たり前と言えば当たり前のこと。だから、読み進めていてとても新鮮な気持ちになります。

この本を読むと、故きを温めて新しきを知る”温故知新”を実践したいなという気持ちにさせてくれますよ。

ステイホームのおともに

30才を過ぎた私が、手塚治虫先生の作品に改めて触れてみると、子どもの頃(また大学生の頃)とは違った感覚で読みすすめることができます。

今現在の私たちに騒ぎ立てていることを、手塚治虫先生は32年以上前に訴えていました。

未来のこどもたちのために、地球を守るために出来ること、何か始めなくてならないと強く思います。

▼ステイホームのおともにおすすめ。環境問題に興味のある人や、子育て、生き方のセンスを磨きたい人は是非読んで下さい。

ABOUTこの記事をかいた人

シンガポール在住8年のライター/Webクリエイター/ヨガインストラクター(全米ヨガアライアンスRYT200保持)。4歳の娘 Emmaと夫と3人暮らし。Webを中心に、ファッション、ビューティー、ライフスタイル、旅行など幅広いジャンルに関する情報を発信。現在はWEBクリエイターとしてWEBサイトを運営、取材、執筆活動を行う傍ら、RYT200を活かしシンガポールを中心にヨガインストラクターとしても活動中。